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成道会を挙行しました

更新日 : 2024年12月09日   カテゴリー : 学校行事

 令和6年12月2日(月)、横浜清風高等学校では、お釈迦様が悟りを開かれたことを記念して成道会(じょうどうえ)を挙行しました。

 生徒有志による散華の舞と献香献花の後、港南区自性院ご住職、山本高寛僧正より記念講話をして頂きました。

 山本僧正は、「成道会の日にお釈迦様は悟りを開き、ブッダとなりました。分かりやすく言えば、智慧と慈悲の心を完成されたということです。智慧とは現実を正しく分析して見極める心、慈悲とは自分以外のすべての生き物を救おうとする心です。仏教とは、私たち一人ひとりがこうした仏の心を育み、ブッダへと近づくための教えなのです。

 実は、皆様は全員、仏様の心を持っています。しかし、色々な欲望や思い込み、自分勝手な心などの煩悩が心にこびりついて曇ってしまい、隠れてしまっています。その汚れをしっかり磨くと、お釈迦様のように仏の心になるのです。普段はよく見えないのですが、時おり、仏様の心が見えている時があります。それは、自分以外の誰かのために何かをしてあげる心になっている時です。例えば、目の前にいる誰かを助けようとしている時や、お墓参りや法事等で、亡くなった方に対して、しっかりと手を合わせてご供養をしている、その様な時には、仏様の心が少し見えているのです。

 この仏様のような心をいつも保つには、慈悲の心を育てることが大切です。ここで、『知恩報恩』という言葉を紹介します。これは、支えられている恩に気づき、その恩に報いる生き方を目指す言葉です。特に、皆様には日常生活の中で『知恩』について考える癖をつけて欲しいと思います。例えば、日常生活の中で、ちょっとした幸せを感じた時、この幸せは誰のおかげで成り立っているのかを考える習慣をつけて頂きたいと思います。

 例えば、外食して美味しい料理を食べて幸せ、という時には、その料理を作ってくれた人、運んで来てくれた人、その店を建てた人、というように、少し思いつく限りでも顔も知らない多くの方々のお世話になっています。

 また、食材となっているものは、元々は命です。食べる、ということは、様々な生き物の命を頂いているということです。つまり、その命にお世話になっています。また、皆さんの体は、そうした命だけではなく、ご両親や、数多くのご先祖様方の人生のおかげで存在しています。その体があるから、その料理を味わえている、ということです。

 そう考えていきますと、私達は生きていく中で数えきれないぐらい多くの人達、生き物にお世話になっています。そのように考える癖をつけて頂けると、『知恩』ということが正しくできるようになっていきます。最初は上手くできないかもしれませんが、繰り返し行っていくことで、皆さんの心は変わっていきます。日常の小さな出来事でも、様々な人にお世話になっている、あるいは苦労をかけている、ということが分かるようになります。すると、自分勝手な心から離れて、他の人のために自分も何かできないか、という心が自然に生じてきます。それが、『報恩』の正しい動機となります。

 仏教では、『苦しみ』と『楽しみ』を平等に見ます。それは、苦しみの克服が私達の成長には必要だからです。恩に報いるためには、たくさんの経験が必要なのです。楽しいことや便利なことだけではなく、辛いことや大変なことも経験し、その苦労を理解して、他者を助ける力を存分に付けて欲しいと思います。もちろん、楽しいことや嬉しいことも多く経験して下さい。そうして、自分が幸せに感じたことを、今度は他の人にして、喜ばせてあげて下さい。

 皆様はまだとても若いので、たくさんの苦労と、たくさんの楽しみをしっかり経験して下さい。そして、多くの人達を救って喜ばせてあげられるような人になって欲しいと、心から願っております。」と説かれました。